自由化で原子力発電はどうなる
最終更新日 2016.1.29
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電力小売りの全面自由化を中心とする「改正電気事業法」が、
参議院本会議で可決・成立しました。

安倍晋三政権が進める電力システム改革の第2弾で、
平成28年を目途に家庭が電力会社を自由に選べるようにします。

これで、地域毎に大手電力会社が販売を独占している
家庭向け電力供給は開放され、新規参入の促進につながり、
そこに競争原理が働き、電気料金の値下げにつながることになることが予想されます。

こうした自由化が進むと、
これまで原子力発電に頼っていた電力供給システムが大きく変わることになります。

発電面ではどの様な影響が考えられるのでしょう。先ず特異な例として英国を見てみましょう。

英国での電力自由化による変化

英国では、国営だった電気事業が90年に分割民営化されました。
自由化が始まると、老朽石炭火力の建て替えや、休・廃止が進み、発電燃料として、
それまでほとんど使われなかった北海産の安い天燃ガスが使われるようになりました。

燃料となるガスの価格が相対的に安かったことや、他電源に比べて開発期間が短い事等によります。

競争力が必要なこれからの電力業界

短期的に見た場合、設備費用が膨大な原子力発電は、いくら割安な燃料を使っていても、
ガス発電などと比べて競争力が弱くなるでしょう。

自由化はこのようなガス発電や、小規模の分参型発電などの燃料の入手・管理が容易で、
計画から完成までの期間が短い電源の開発を促進します。

その一方で、ガスより価格の安いウラン燃料を使うのに対して、
原子力発電所は、大型の設備投資を必要とすることや、計画から完成までの期間が
長いことから、英国や米国では新規建設が停滞しました。

自由化は、長く運転すればするほど経済的に有利性を発揮すると言われています。

原子力発電は、地球温暖化などの環境問題やエネルギーの需給安定確保などの、
重要な課題の解決を図るうえで、今後も一つの重要なオプションであることは
間違いないでしょう。

 
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