電力自由化を理解するための3つの区分

電力自由化を前に、今の電力事業について簡単に解説します。
自由化で何がどう変わるのか、
考えやすくなるのではないでしょうか。

発電・送電・配電

電力事業は、発電送電配電の3つの事業で分類されます。

それぞれ以下のように範囲が分けられています。

発電事業 発電所から一つ目の変電所まで。主に発電所の保守・管理。
送電事業 発電所のひとつ先の変電所から、家庭のひとつ前の変電所まで。
高圧送電線や変電所などを保守・管理。
配電事業 最後の変電所から家庭まで。家庭へつながる電柱や家庭の配電盤、メーターなどの点検と検針。

現状(2014年現在)で、一般家庭で使われる電力は、これら3つの事業を東京電力(現:東京電力グループ)といった電力事業者が地方ごとに単独で管理しています。

新規参入が困難な理由

現在、発電・送電・配電のすべてを同じ電力会社が管理していますが、この状態は発電事業者の新規参入を困難にしています。

例として、新しく発電事業に参入して電気を売る場合、
現状では送電施設、配電施設を電力会社から借りる形をとります。

そのため、新規事業者だけに送電委託料・配電委託料が上乗せされてしまい、たとえ割安に発電できても、価格面で厳しい状態になっていました。


送電・配電委託料は電力会社が自由に設定できたため、
これまでの発電事業では、極めて価格競争が起こりにくい状態が続いていました。

例えば邪魔な発電業者がいた場合、委託料を吊り上げて排除することができ、またそれをしても問題ない制度がずっと続いていたのです。

そのような状態を変えるため、今回の電力自由化では、
発電と送電・配電を分離する方針が盛り込まれています。

自由化では発送電分離

発送電分離とは、発電と送電・配電の管理企業を分離する方針のことをいいます。

発電と送電・配電の会社が分離すると、
電力会社で発電した電気も、新規参入企業で発電した電気も、等しく送電・配電委託料をかけることができます。つまり、発電業者間での価格競争が可能になります。

発送電分離の状態では、単純に発電コストだけで企業間の競争が起こるため、新規参入も簡単で、より価格競争が進み、結果として電気料金も安くなることが期待されています。

また送電・配電委託料については、従来の電気料金に含まれているものなので、基本的には電気料金が上昇することはないと考えられています。

現在、発送電分離に向けて法制度を含む改革が進行中です。
発送電分離を含む法案については2020年ごろの成立を目指して動きが活発化しています。
今後の動向に注目が集まります。

 
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